無質量置き場

星と写真と独り言

学んだ事

メモである。

 

・小学生の頃、PS2ゲーム『太鼓の達人3』を死ぬほどやり込んでいた。親の友人が家に来た時に一緒に遊んでくれ、自分は鬼モードでよそ見したりしながら余裕でクリアした。遊んでくれた人に「余裕ぶりやがって〜笑」みたいな事を言われた。

自分の方が上手でも、実力に差がある状態で調子に乗ってはいけないと学んだ。

 

・小学校の書道の授業で、気になっていた男子Tのすずりが安い墨汁でガビガビになっているのを見て、当時書道教室に通っていた私は(これは使いづらいだろう)と思って手洗い場で無理やり洗った。後ろが騒がしいので振り返ると、教室から顔を出して私たちを茶化すクラスの男子や女子の姿を見た。Tに対して、私との仲を騒がれるなんて申し訳なくなった。

こんな思いをさせてはいけないと思い、親切心を理由に気になる人におせっかいを焼いてはいけないと学んだ。

 

・図工のクラブで作った陶芸が焼き上がった。早く帰って親に見せたかったが、帰りを待ち伏せしてた女子達に絡まれ、振り払おうとしたら陶芸が入った手提げごと机にぶつけて壊してしまった。泣きながら無言で帰る私に、流石にまずいと思ったのか「もうしないから」と家まで付いて来て謝ったので許したが、次の日、給食での笑い話にされていた。

自分が作った大切な物も、それを見せたい人がいる事情も、人から見ればただの土塊なので、扱いにも評価にも期待しない方がいい事を学んだ。母親が接着剤でくっつけた箸置きは、もう見たくもなかった。

 

・一瞬だけ出来た従兄弟がいた。叔母と結婚した相手は再婚で、連れ子は私の一個上と一個下の2人兄弟、だったかな。彼らの家に遊びに行く事になった私は、車の後部座席で戯れたりしていたが、気付けば男子がよくやるプロレスの延長、で首に手をかけられていた。「おまえのしにがおが見える」と、どこで覚えたか知らないセリフを吐きながら。

ろくに喋った事のない人にも、多分、恨まれている事はあるんだろうなと学んだ。

 

・どんなに平気そうな顔をしている父親も、私とお母さんが自分の趣味に没頭しているとある日突然お酒を飲んで機嫌が悪くなるので、する事がなくてもなるべくリビングに行くと機嫌が落ち着いている状態を維持できる。

愛情は、人によって当たり判定が違う事を学んだ。

 

・中学時代、照れ隠しによく友人を叩いていた。ある日、一番叩いていた友人Kが転校する事になってから、共通の知り合いで少し大人しいMと一緒にいる機会が増えた。ある日彼女をつい叩くと、「Kの代わりみたい」と言われた。そんな事ないのに、と思った。そんな事ない、はずなんだけどな。

愛情は、適した方法じゃないと届かない事を学んだ。

 

・同じ部活で悩んでるEを励まそうと、俯いている彼女に声を掛けた。なかなか話したがらないので理由を聞くと、「だって、正論しか言わないもん」と言われ、頭を殴られたような気持ちになった。「じゃあ、正論を言わないから」と半ば意地で相槌と同情に徹し相談に乗った。内容はさっぱり覚えていない。

私の正論は、人によって正しく無い時を学んだ。

 

・高校時代、部活を通じて他校の男子校と学校ぐるみで仲良くなった。(代ごとに交流するので、まあ毎年恒例の事象である。)いくつかの男子とSNSで繋がったが、同性の友人をぶっ叩いていた身からすると異性への距離感なんてとてもわからず、そのうちの一人に顔文字とかのリプライを丁寧に飛ばしていたら、向こうの友達から会話を引用され、『コイツらデキてんじゃね?笑』みたいな反応をされた。

危ない!と思い、数年前の教訓を思いだしすぐに茶化した奴はブロック。会話応対を雑な内容に修正し事なきを経た。あらぬ誤解は、芽が出る前の友情ごと踏み潰して土に還すべきだ。

 

・同じクラスのSちゃんが、私の最寄り駅の隣に越して来た。当時、誰かと地元が近くになるのは珍しく、今まであまり話すこともなかったので、一緒に帰るなら仲良くなろうとちょっかいをかけていたが、彼女は仲良くなるとストレートに「死ねば?」とか言ってくるタイプだった。なんだかだんだん苦しくなったので2年くらいでちょっかいをかけるのはやめた。きっと相手も、私の干渉が本当は迷惑だったのだろう。共通の友人とは「なんで仲良かったんだお前ら笑」と笑い話になるような具合だったが、数年後、「あいつ(私)とは一時期、一番仲良かった自信はある」とSちゃんが話していたのをMが聞いていたらしい。

なんか、私の方法なんかはきっと失敗で、進んで誰かに歩み寄って仲良くならない方がいい事も学んだ。

 

・高校卒業して以来会っていない友人同士で会話をする機会があった。みんなのくだらないボケや、大学を出ても決まりきっていない進路、お互いの作品への称賛などの会話を巧みに回している(つもりでいる)と、Aちゃんから「なんか、全肯定だね笑」と無邪気に笑われた。あれ、否定しちゃいけないんじゃ、なかったっけ?一体誰に、そう言われたんだっけ?

私には、意思らしき意思なんて無い事を学んだ。

 

・みんなによく見えるような服だけ着込んでいたら、裸の自分にはもう何も残ってないような気がした。

 

・自分が綺麗だと思うものを純粋に表現できる人が憎くてしょうがなかった。

 

・きっと私にはもっと多くの呪いをかけられている事を学んだ。